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日本口腔インプラント学会学術大会@名古屋

昨日の日曜、日本口腔インプラント学会の学術大会に行ってきました。

この学会ですが、歯科系の学会では最大規模

やはり人の数と会場の規模が大きいです。

 

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金、土曜日は診療のため、最終日の日曜日しか参加できませんでしたが

・インプラント抜歯即時埋入

・インプラント周囲炎

・インプラント埋入の骨質の評価

について最新の見解を勉強してきました。

 

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・インプラント抜歯即時埋入

インプラント即時埋入とは、歯を抜くと同時にインプラント埋入をする手技のことです。

患者さんには、欠損状態の期間が短く済むことにより、機能障害、審美障害を避けることが可能です。

ただ、手技としては、治癒を待ってから埋入する方法よりも成功率が下がるという点がネックとなります。

できるなら、待ってから手術したほうが良いのですが、それによるデメリットもいくつかあります。

 

・治癒の過程で骨が吸収され、骨移植併用が必要になる。

・骨とともに歯肉形態も変化し、審美性が低下する。

・欠損状態の期間が1年以上に及ぶことがある。

結論ではないですが、どうしても早期に埋入する必要があるなら即時より少し待ってから埋入するのが理想的とのことでした。

シンポジストの先生は自分の実体験を踏まえてお話をされたので、より説得力のあるお話でした。

欠損のある期間が長くて辛かったと(笑)

また埋入手技や審美性向上のためのテクニックなども勉強させて頂きました。

 

・インプラント周囲炎

インプラント周囲炎は、最近のインプラント治療において最も注目されているトピックスです。

インプラントが普及し、10年以上が経過した現在、インプラント周囲炎と言って、状態が悪くなってしまったインプラントをどう対処するのかという問題が、世界的に議論されています。

インプラント治療は、噛めるようになって終了ではありません。その後のメンテナンスも重要ですが、100%が成功する治療方法ではありませんし、インプラント周囲炎に正しく対処できるよう当院でも準備をしておきます。

今までは、撤去する事が多かったのですが、保存することができた症例もいくつか提示していただけました。

アメリカですが、そのプロトコールも提示していただけました。

 

予後が悪くなったから、大きい病院に行ってくださいでは、インプラント治療をしているだけで、できているとは言い難いでしょう。

外科は手術から合併症まで対応できて、できると言うのだと思います。

特殊な合併症もありますが

 

・インプラント埋入の骨質の評価

近年ではCT撮影し、画像所見から治療計画をたてるのが、当たり前になっておりますが、その中でもCTの画像所見から術後のリスクの高い所見などを提示していただきました。

術前にリスク評価することは、当然ですが非常に重要。

知らずに手術が失敗すれば、患者さんに多大な身体的、精神的苦痛を与えてしまいます。

 

近年では、インプラント治療の悪い話が取りざたされております。

それは手術を行った歯科医師に全て責任があるわけではないですが、治療を行う際には

・リスク

・メリット

・デメリット

この3点をしっかり考慮し治療を行う必要があります。

 

余談ですが、以前にインプラント治療を希望された患者さんに、

きちんと歯磨きできているか、磨き残しのチェックをして、まだきちんと磨けていなかったので、歯磨き指導をしたら

『前の先生はそんなチェックなしで、やってくれましたよ!』

と言われました・・・

インプラントは自己清掃がきちんとできない状態で治療すると、いわゆるインプラント周囲炎になりかねません。

高額な治療ですし、その歯科医院としては早く治療に進みたかったのでしょうね

全てではありませんが、少しでもリスクを下げるには自己清掃ができることは必須です。

 

今後もしっかりとリスクマネージメントをして、的確な治療方法を選択していければと思います。

 

続く・・・